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西村・世耕氏も追加聴取 首相 党処分へ詰めの作業


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党は27日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、安倍派事務総長を務めた西村康稔、参院側会長だった世耕弘成両氏から東京都内のホテルで個別に追加聴取した。岸田文雄首相自ら、2022年8月の派閥幹部協議で資金還流を復活させた経緯を確認したとみられる。26日の塩谷立、下村博文両氏を含む4人聴取を受け、執行部は来週にも党処分を決めるため詰めの作業を急ぐ。
 22年4月にはこの4人と当時会長だった安倍晋三元首相が集まり、安倍氏が還流中止を指示した。執行部は聞き取りを通じ、同年3月に安倍、西村、世耕各氏と前任会長だった細田博之衆院議長(当時)の会合が開かれたと認識しているもようだ。27日の聴取で経緯をただした可能性がある。
 政治倫理審査会では同年8月の協議に関する4人の証言が合致しなかった。参院側は改選の年にパーティー券売り上げを全額還流しており、再確認したとみられる。聴取には茂木敏充幹事長、森山裕総務会長が同席。首相は記者団の取材に、内容を明かさなかった。
 参院予算委員会では立憲民主党の杉尾秀哉氏が「新事実が出なければ何を根拠に処分するのか」と真相解明を優先するよう首相に要求。裏金開始の経緯を会長経験者の森喜朗元首相に聴取するよう求めた。
 今後の追加聴取に関し首相は記者団に「今日で終わるのでなく必要な調査を執行部で手分けして続けたい。調査の結果、政治責任について判断する」と述べ、解明作業を続ける姿勢を強調した。
 執行部は、還流復活を止めなかった4人の責任は重いとして「選挙での非公認」以上の処分を科す方向で調整している。