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柏崎原発 核燃料装填へ 来月15日から、東電が申請


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京電力は28日、柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の原子炉に検査のため、4月15日から核燃料の装塡(そうてん)を始めると原子力規制委員会に申請したと発表した。2011年3月の福島第1原発事故後、東電として初となる再稼働に向けて準備を進める。新潟県の花角英世知事は慎重姿勢で、地元が同意する前に燃料を入れるのは異例。再稼働の時期は未定としている。
 柏崎刈羽原発は全7基が第1原発と同じ沸騰水型炉。総出力は821万2千キロワットと世界最大規模で、首都圏などに電力を供給する。7号機は135万6千キロワット。政府は再稼働が進む西日本と比較し、東日本の電力需給は厳しいとして今月、花角氏らに同意を求めていた。
 燃料装塡は再稼働に備えた検査の一環。東電はこれまで時期を示していなかった。装塡後は臨界状態にして原子炉に異常がないことを確認し、徐々に出力を上げるが、28日に記者会見した同原発の稲垣武之所長は「(臨界状態になる)制御棒の引き抜きは地元の了解があってのものだ」と述べ、時期は未定とした。
 福島第1原発事故後に再稼働した全国の6原発12基は、地元同意後に燃料を装塡した。年内の再稼働を目指し、同意を得た中国電力島根2号機(島根県)と、東北電力女川2号機(宮城県)はまだ燃料を入れていない。東電の担当者は「前例があり、地元の自治体から反対もない」とする。
 柏崎刈羽6、7号機は17年12月に規制委の審査に合格。その後、テロ対策の不備が相次いで発覚し、規制委が事実上の運転禁止を命じたが、昨年末に解除した。再稼働には地元同意が必要で、斎藤健経済産業相が18日、花角氏に理解を要請。花角氏は能登半島地震を踏まえ、原発事故時の避難に懸念を示している。
 経営再建を急ぐ東電は1基の再稼働で年間約1100億円の収支改善を見込む。