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裏金議員、来週処分へ 首相「プロセス進める」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相は28日夜、2024年度予算の成立を受け、官邸で記者会見を開いた。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、政治資金収支報告書への不記載が判明した党所属議員への処分を来週にも決定する方針を表明した。「来週中にも処分が行われるようプロセスを進めていきたい」と述べた。
 処分は安倍、二階両派の議員計80人規模となる見通し。還流復活を許した安倍派幹部の4人は党規律規約に基づく8段階の処分のうち、4番目に重い「選挙での非公認」以上を科す方向で調整している。
 首相は会見で「必要があればさらに聴取を行う」と説明。不記載の金額や役職、説明責任の果たし方などを勘案した上で「党の手続きを経て厳しく対応していきたい」と語った。
 安倍派の資金還流の対応を協議したのは、塩谷立元文部科学相、下村博文元政調会長、西村康稔前経済産業相、世耕弘成前参院幹事長の4人。4人は2022年4月、当時派閥会長だった安倍晋三元首相が還流中止を指示した会合に出席した。安倍氏死去後の同年8月にも集まり、対応を協議した。安倍派前身の森派会長だった森喜朗元首相への聴取も焦点。首相は28日の参院予算委員会で、森氏について「関係者の一人であり、政治責任を明らかにするために必要な方ということで含まれ得る」と述べた。立憲民主党の長妻昭政調会長は記者会見で「森氏の聴取さえしないのは、どう考えても理解できない」と主張した。