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自民、裏金39人処分へ 党紀委招集 岸田・二階氏含めず 不記載500万円以上対象


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、茂木敏充幹事長は1日、党則に基づく処分を決める党紀委員会の招集を要請した。安倍派幹部と、2018~22年の5年間に政治資金収支報告書の不記載額が計500万円以上あった安倍派、二階派の計39人を対象とする。岸田文雄首相と二階俊博元幹事長は含まない。派閥からの還流資金を収支報告書に記載しなかったのは立件議員らを除き85人だったが、残り約40人は幹事長注意とする。
 党紀委は4日にも開催し、処分を決定する。首相は1日の党役員会で「道義的、政治的責任を厳正に判断したい」と述べた。茂木氏は記者会見で39人に関し、安倍派現職35人、選挙区支部長1人、二階派現職3人と氏名を公表した。
 500万円の線引きは「不記載が多額」を理由とした。立件対象を除き不記載額3526万円が最多だった二階氏に関しては、次期衆院選への不出馬を先に表明した点を重く受け止め、審査を要請しないと説明した。
 党紀委に諮らない約40人については、幹事長として注意するとした。党則に基づかない幹事長注意とするのは、派閥の指示に従った中堅・若手が多いことを考慮した。
 安倍派幹部に関しては「幹部の立場にありながら適切な対応を取らず大きな政治不信を招いた」と指摘。22年8月に還流を止めなかった責任を念頭に、不記載額500万円未満ながら同派会長代理だった塩谷立、下村博文両氏と事務総長だった西村康稔氏を対象とした。参院側会長だった世耕弘成氏を含む4人の全員か一部に、党処分で最も重い「除名」に次ぐ「離党勧告」を科す方向だ。