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川勝知事が辞職表明 静岡 「職業差別」発言に批判


川勝知事が辞職表明 静岡 「職業差別」発言に批判 記者団の取材に応じる静岡県の川勝平太知事。唐突に辞意を表明した=2日午後、静岡県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 静岡県の川勝平太知事は2日、県庁で記者団の取材に対し「6月の議会をもってこの職を辞そうと思う」と述べ、知事職を辞職すると表明した。川勝氏は1日、県の新規採用職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売るのとは違う」などと発言し、職業差別との批判が殺到していた。環境への影響を懸念し、認めてこなかったリニア中央新幹線の静岡工区着工にも今後影響が出る可能性がある。
 1日の訓示で川勝氏は「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」と発言。県には「農業や畜産に携わる人々の知性が低いというのか」「静岡県はモノづくりを誇っていたのではなかったか」といった400件を超える抗議の電話やメールなどが殺到した。
 川勝氏は就任以来、物議を醸す発言を繰り返しており、2021年には同県御殿場市を「(特産は)コシヒカリしかない」とやゆし、県議会から辞職勧告決議を受けた。
 今年3月にも県内地域の文化水準を比べるような発言をし、県議会で苦言を呈された。
 リニア中央新幹線の静岡工区を巡っては、川勝氏が環境への影響に懸念を示し着工を認めておらず、トンネル掘削工事を始められない状況が続いている。JR東海は先月29日、品川―名古屋間の27年開業を断念する方針を明らかにした。
 川勝氏は早大教授や静岡文化芸術大学長を経て、2009年の静岡県知事選で初当選し、現在4期目。