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災害物資備蓄へ 日米が拠点整備 米大使「国際支援効率的に」


災害物資備蓄へ 日米が拠点整備 米大使「国際支援効率的に」 エマニュエル駐日米大使
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 エマニュエル駐日米大使は5日、東京都内で記者団の取材に応じ、インド太平洋地域で起きた自然災害の被災地を迅速に支援するため、日米が協力して医療物資などを共同保管する拠点を整備すると明らかにした。日米が目指す自衛隊と米軍の指揮統制の連携強化については、台湾有事も念頭に中国をにらんだ動きだと強調した。

 ワシントンで10日に開かれる日米首脳会談を巡り、エマニュエル氏は日米の安全保障政策や戦略的展望が大きく変わる中で両国関係における「新時代の最初の章になる」と位置付けた。

 災害時の支援物資備蓄拠点に関しては、場所は決まっていないものの、医療物資やテント、飲料水などを保管すると説明。1月の能登半島地震や今月台湾で発生した地震に言及しながら、備蓄拠点を設けることで迅速で効率的な国際支援が可能になると強調した。

 日米両政府は自衛隊と米軍の相互運用性向上に向けた指揮統制の見直しで合意する方向。エマニュエル氏は「20年前とは異なる中国」が台湾統一への圧力を強め、尖閣諸島周辺やフィリピン沖の南シナ海などで示威的行動を強めていると指摘し、これに対応するためには指揮統制の在り方に「新たなやり方」が必要になると語った。

(共同通信)