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ガザ死者3万3000人超 戦闘半年 交渉難航、停戦見えず


ガザ死者3万3000人超 戦闘半年 交渉難航、停戦見えず ガザ地区を巡る状況、イスラエル軍の制圧エリア、進軍エリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=久下和宏】昨年10月に始まったパレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は7日で半年。ガザ側の犠牲者は3万3千人以上となり、餓死者が出るなど人道危機も深刻さを増している。イスラエルの後ろ盾となってきた米国を含め、民間人の被害拡大を懸念する国際社会は停戦への圧力を強めるが、イスラエルとハマスの間接交渉は難航し、戦闘終結は依然見えない。
 (7、23面に関連)
 バイデン米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相による4日の電話会談を受け、イスラエル戦時内閣は5日、人道支援物資の搬入拡大に向けた緊急措置実施を決めた。イスラエル中部アシュドッド港やガザ北部のエレズ検問所を通じた一時的な物資搬入のほか、ガザ南部ケレムシャローム検問所を経由したヨルダンからの搬入拡大も認める。
 米ニュースサイト、アクシオスは5日、バイデン氏がネタニヤフ氏との電話会談で、ガザの人道支援関係者や民間人を保護する具体策を取らなければ「イスラエルを支援することはできない」と通告したと報じた。米国としては異例の警告。バイデン氏は支援再開のため即時停戦も求めたが、ネタニヤフ氏は必要ないとして拒否した。
 戦闘休止と人質解放を巡る交渉は仲介国エジプトの首都カイロで近く行われる。米中央情報局(CIA)のバーンズ長官やイスラエルの対外特務機関モサドのバルネア長官らが参加。ハマスも6日に声明で、7日に代表団を派遣すると表明した。ロイター通信によるとバイデン氏は5日、エジプトとカタールの両首脳に書簡を送り、合意に向けハマスに圧力をかけるよう求めた。
 これまでに協議されている案では6週間の戦闘休止期間を設け、ハマスが人質40人を解放し、イスラエルが拘束するパレスチナ人約700人を釈放する。ハマスは恒久停戦やイスラエル軍のガザ撤収を求めているが、イスラエルは応じない構えで、ガザ最南部ラファへの地上侵攻を実行する構えを崩していない。
 ガザ保健当局は6日、戦闘開始以降のガザ側死者が3万3137人になったと発表した。