岸田文雄首相は米国に向けて8日に政府専用機で羽田空港を出発する。日本の首相としては2015年の安倍晋三元首相以来となる国賓待遇での公式訪問になる。バイデン大統領との会談で、防衛装備品の共同開発促進や自衛隊と在日米軍の指揮統制見直しで合意し、防衛協力の強化を打ち出す考えだ。米連邦議会上下両院合同会議での演説など一連の日程を通じ、幅広い分野での日米協力の深化を図る。
10日の首脳会談では、両国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているとして、日米同盟の強化の必要性を共有。防衛装備品の共同開発に向けた協議体創設を確認する。陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」と在日米軍司令部との連携の在り方も協議する。
人工知能(AI)や半導体、量子技術の分野での協力促進も申し合わせる見通しだ。会談後、共同記者会見に臨み、成果文書を発表する。
首相は11日に上下両院合同会議で「日米のリーダーシップと未来に向けた協力」を主題に演説する。日本の首相が同会議で演説するのは15年の安倍氏に続き2例目。
ホワイトハウスでバイデン氏、フィリピンのマルコス大統領と初の日米比首脳会談も実施する。中国が覇権主義的行動を強める東・南シナ海情勢を巡り、安保協力の在り方について協議する。経済安保や重要インフラでの連携も議題になる。
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首相、国賓として訪米 きょう出発 日米協力深化図る
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琉球新報朝刊