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中国念頭 同盟強化 日米首脳会談へ 供給網など連携


中国念頭 同盟強化 日米首脳会談へ 供給網など連携 米ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着し、出迎えを受ける岸田首相(左奥)と妻の裕子さん=8日
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン共同=中久木宏司】岸田文雄首相は8日(日本時間9日)、米ワシントンに到着した。10日にホワイトハウスでバイデン大統領との会談に臨む。インド太平洋地域で影響力を増す中国を念頭に、日米同盟の対処力強化を確認する。次世代太陽電池など先端技術で協力を推進。半導体を含む重要物資のサプライチェーン(供給網)を強靱化(きょうじんか)し、中国による経済的威圧に連携して対応する方針で合意する見通しだ。
 日本の首相が国賓待遇で公式訪米するのは9年ぶり。両首脳はこの機会に幅広い分野での日米の「グローバル・パートナーシップ」を国際社会にアピールしたい考えだ。会談に先立ちホワイトハウスで歓迎式典が開かれる。会談後、そろって共同記者会見に臨み、共同声明を発表。公式夕食会に出席する。
 会談では、日本が2024年度末に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を発足させるのを受け、自衛隊と米軍の相互運用向上のための指揮統制見直しを申し合わせる。米側は、在日米軍司令部(東京・横田基地)の機能強化へ司令官の階級を中将から大将に格上げする方向で調整している。
 防衛装備品の共同開発、生産に向けた協議体設立で合意する。日本の民間企業が在日米海軍の艦船の大規模補修に従事できるようにする枠組み整備でも一致する。
 両首脳は、次世代太陽電池や人工知能(AI)、量子といった先端技術分野での連携を確認する。貿易の制限で圧力をかける経済的威圧を認めず、自由な経済秩序を守る意思を共有。半導体などの供給を特定の国に依存する状況を防ぐため、同志国とのサプライチェーン構築促進を目指す。