有料

国際秩序に「責任」 首相、米上下院会議で演説


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン共同=中久木宏司】岸田文雄首相は11日午前、米連邦議会の上下両院合同会議で演説する。中国やロシアの軍事動向などで国際秩序が新たな挑戦に直面しているとし、日米両国が世界の平和と繁栄に「責任を担っている」と強調。日本は「堅固な同盟と不朽の友好を誓う」と明言する。被爆地・広島選出の首相として「核兵器のない世界」実現に向けた自身の取り組みに言及する。ただ具体的な協力の呼びかけはしない。
 外国首脳による同会議での演説は特別な機会に催される。最近では2023年に韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領らが実施した。日本の首相では15年の安倍晋三元首相に続き2例目。岸田首相は「未来に向けて~われわれのグローバル・パートナーシップ」と題し、英語で行う。
 首相は演説で、中国の対外的な姿勢や軍事動向が「国際社会全体の平和と安定にとって最大の戦略的な挑戦をもたらしている」と主張。北朝鮮によるロシアへの弾道ミサイル輸出に関し「ウクライナの苦しみを増大させている」と指摘する。
 日本は「最も親しい友人として米国と共にある」とする。防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額や反撃能力(敵基地攻撃能力)保有といった岸田政権の施策に触れ「日米同盟を強固なものにするために先頭に立って取り組んできた」と誇示する。
 日米に加え韓国、オーストラリア、インド、フィリピンなどとの協力を挙げ、日米同盟が多層的な地域枠組みの力を増強させる役割を果たしていると説明する。