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米中衝突回避へ協議 国防相会談、1年半ぶり


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン、北京共同】オースティン米国防長官と中国の董軍国防相は16日、テレビ電話で会談し、衝突回避へ軍同士の意思疎通を続けることを確認した。米中国防相の協議は2022年11月に対面で実施して以来、約1年5カ月ぶり。停滞していた両国間の軍事対話の再開が本格化した。南シナ海や台湾の問題を巡り、双方の主張は平行線をたどった。
 オースティン氏が23年12月に就任した董氏と意見を交わすのは初めて。米国防総省の高官は「重要な一歩だ」と評価した。両氏は今年5月31日~6月2日のシンガポールでのアジア安全保障会議に合わせて初の対面会談に臨む可能性がある。
 中国は台湾に圧力をかけ続け、南シナ海ではアユンギン礁でフィリピン船の航行を放水砲で妨害。米国は日本やフィリピンと今月11日にワシントンで初の3カ国首脳会談を開くなど、中国への対処で連携を強めている。
 会談でオースティン氏は董氏に現場指揮官同士の対話を促した。「米国は国際法が許す限り安全で責任ある飛行や航行を続ける」として、航行の自由の尊重を要求。これに対し董氏は「中国の南シナ海での領土主権を尊重する」ことを米側に求めた。