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3月訪日客 初の300万人超 コロナ禍前を上回る


3月訪日客 初の300万人超 コロナ禍前を上回る 2019年と24年の訪日客数
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 政府は17日、3月に日本を訪れた外国人客は推計308万1600人だったと発表した。コロナ禍前の2019年7月(299万1189人)を上回り、単月で初めて300万人を突破、過去最多となった。外国人の宿泊や買い物などの消費額(速報値)は1~3月で1兆7505億円に上り、四半期ベースで最高を記録。外国人にメリットがある円安が大きく寄与した。岸田文雄首相は観光立国推進閣僚会議で「このペースなら24年は客数も消費額も過去最高を達成できる見通しだ」と述べた。
 訪日客はコロナ禍前に比べて増加傾向にある。都市部に集中しており、地方への誘客のほか、交通機関の混雑、ごみのポイ捨てなどで住民生活に影響が出る「オーバーツーリズム(観光公害)」が課題。首相は会議で「三大都市圏に偏在する外国人宿泊を地方に分散し、持続可能な観光地域づくりを加速させる」と強調し、関係閣僚に対策の強化を指示した。
 政府観光局は3月の訪日客増加について、桜の開花シーズンであることや、下旬に始まったキリスト教のイースター(復活祭)休暇も要因と分析している。
 3月の訪日客数を主な国・地域別で見ると、韓国が19年同月比13・2%増の66万3100人で、最も多かった。台湾が20・4%増の48万4400人、中国が34・6%減の45万2400人、米国が64・3%増の29万100人と続いた。