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【深掘り】異例の対応に懸念も 米軍嘉手納の不発弾処理 周知に町職員総出 沖縄


【深掘り】異例の対応に懸念も 米軍嘉手納の不発弾処理 周知に町職員総出 沖縄 避難を呼び掛けながら町内を走るニライ消防本部の車=25日、嘉手納町内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍は25日夜、嘉手納基地内の格納庫新設工事現場で見つかった不発弾の爆破処理を実施した。毎年多くの不発弾が見つかる沖縄でも、公表翌日の爆破処理は異例。不発弾処理行政に関わる関係者は「周知が間に合うのだろうか」と首をかしげ、住民影響の緩和策など今後に課題を残した。

 沖縄防衛局や嘉手納基地の米空軍第18航空団などの発表によると、不発弾は23日午後5時ごろ、嘉手納基地北側で行われているHH60W救難ヘリコプターの格納庫新設工事現場で見つかった。

 米軍は翌24日午前9時ごろに防衛局に通報。複数の関係者よると米軍は当初、24日中にも処理したいとの意向を示していた。だが避難対象の住民への通知などのため町側が1日延ばすよう求め、米軍と防衛局、嘉手納町、県警の4者で協議し、25日夜の処理実施が決まったという。

 防衛省関係者によると、不発弾は建物の損壊を目的とした威力の大きいもの。関係者は「露出した状態で雨が続いていて何かの衝撃で爆発する懸念があった。米軍としてもそのリスクを避けるために早く処置したいと考えていた」と解説した。

 一方、不発弾行政に詳しい関係者によると、発見から処理まで早くても2~3週間はかかるのが通例。不発弾処理に定められた期間はないが、住民告知や警察、消防との調整のほか、交通量が多い場所を規制する場合には、できるだけ処理作業を休日に設定するなどさまざまな検討を行う。同関係者は「不発弾の状態にもよるが、見つかって数日で爆破する話はあまり聞かない」と指摘した。町は同日朝から職員総出で住民に連絡するなど対応に追われた。「町は大分慌てているだろう」とおもんぱかった。

(知念征尚、明真南斗、金盛文香)