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新人は8人、出馬予定 うち6人が現職の那覇市議 那覇市・南部離島区(下)<6.16沖縄県議選最前線・情勢を探る>(3)


新人は8人、出馬予定 うち6人が現職の那覇市議 那覇市・南部離島区(下)<6.16沖縄県議選最前線・情勢を探る>(3)
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 那覇市・南部離島区(定数11)で、新人は与野党・中立合わせて8人が出馬を予定しており、うち6人が現職の那覇市議だ。与党は立民と社民、社大がそれぞれ公認候補1人を擁立し、無所属1人と合わせて4人。野党は無所属2人が自民推薦を受けて名乗りを上げている。中立では公明1人、無所属1人が立候補を表明している。

 那覇市議の與儀喜邦氏(67)=立民=は、引退する崎山嗣幸氏の後継で、出身地の首里に事務所を構え、同地区を中心に地域を巡り、支持を広げる活動を続けている。医師としての経験を生かして健康長寿復活を中心とした医療福祉に力を入れるほか、辺野古に新たな基地を造らせないことを訴えている。連合や自治労、全駐労など10団体から推薦を受けた。

 社民公認の喜屋武幸容氏(50)は、2020年に引退した狩俣信子元県議の後継として、社民の議席回復に向けて全力を尽くす。人材育成の重要性を強調し、経済振興や子育て支援に力を入れる。出身地の繁多川と、狩俣氏の地盤である首里石嶺に事務所を開設し、各地域であいさつ回りを続ける。連合や沖教組、平和運動センターなどからの支援を受ける。

 社大公認の平良識子氏(45)は繁多川の事務所を拠点に首里地域での足場固めを図る。那覇市議5期の知名度や実績を生かして支持拡大に向けた戦略を練る。全県の有権者を対象にした独自のアンケートを実施するなどして投票率向上にも取り組む。琉米修好条約返還実現を通じ、米軍基地問題解決や沖縄の自治拡大を掲げる。5月下旬に決起大会も予定する。

 与党系無所属の宮城恵美子氏(75)は事務所を置く小禄に加えて、出身地の安里や大道での手ぶりに取り組む。約45年、平和運動に取り組んできた知名度を生かす。共に運動してきた市民有志の協力も得てチラシ配布にも力を入れる。南西諸島の軍備強化に反対し、沖縄を歌と対話と平和の発信地にすると掲げる。高齢者層を重点に置いて支持を呼び掛ける。

 自民推薦の吉嶺努氏(47)=無所属=は市議2期目。市松山に事務所を開設した。ドクターヘリのパイロットの経験を生かし、命を守る備えとして防災の重要性を強調しつつ、離島を含めた医療や福祉、子育て支援を訴え、支持拡大を図る。出身地などの地盤にとらわれず、選挙区各地の活動に力を入れており、SNSなども最大限駆使して選挙戦に挑む。

 自民推薦の坂井浩二氏(49)=無所属=は那覇市議4期目。地盤となる新都心を中心に、真和志北地域であいさつ周りや対話集会を続ける。子どもの支援に取り組む団体のほか、出身地の宮古島市の郷友会からも支援を受ける。県民所得向上や生活安定を目指す。国の予算を市町村につなげ、若者の発想を尊重した新しい県の仕組み作りに力を入れる。

 公明公認の糸数昌洋氏(63)は、那覇市議6期の実績で培った支持を基に、事務所を構えた泊や前島、安謝などの地域で一人一人と会うかたちで活動している。久米島町出身という「唯一の南部離島代表」として離島振興を前面に打ち出す。観光立県沖縄の経済を守るためにも市議時代から訴えている防災や減災の施策のほか、子育て世帯支援などを掲げる。

 無所属で立候補する前泊美紀氏(51)は、那覇市議4期15年で続けてきた議会改革を県議会でも取り組むことで、県民生活の向上を目指す。事務所は出身地の仲井真に近い古波蔵に開設した。地域巡りに力を入れつつ、若者世代にも支持が浸透するようにSNSも活用し、知名度の向上にも取り組む。知念覚那覇市長や前市長の城間幹子氏に支援を依頼する。

 (’24県議選取材班)