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米軍から建物を譲り受けたらPCB廃棄物があった→「譲渡に該当せず」 環境省が見解 沖縄


米軍から建物を譲り受けたらPCB廃棄物があった→「譲渡に該当せず」 環境省が見解 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【東京】全国の米軍基地内に人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)が残されている問題で、13日の衆院決算行政監視委員会で、米軍基地で使用されていたPCB廃棄物を防衛省が引き取っていることが、PCB特措法17条で禁止されている「譲渡・譲り受け」に該当するかが議論となった。国定勇人環境政務官は建物自体を譲り受けてPCB廃棄物が含まれていたとし「譲渡や譲り受けに該当しない」との見解を示した。屋良朝博氏(立民)の質問に答えた。

 屋良氏は「常識では考えにくいやり方だ」と批判した。

 国定氏は譲渡ではないとする根拠として「米軍から防衛省にPCB廃棄物そのものではなく建物などとして引き渡され、防衛省の工事などで結果としてPCB廃棄物が発生したと考えている」と語った。一方、環境省がホームページに掲載するQ&Aによると、民間で建物を売買する場合には所有権を移す前に売り主がPCB含有を確認することを求めている。

 屋良氏は、2002年に米国はPCB廃棄物を本国に持ち帰る方針を決めたにもかかわらず、途中から防衛省が引き取るようになった経緯をただした。

 木原稔防衛相は方針転換を認めた上で「日本国内でPCBの処理体制が構築されるという状況の変化が生じた」と述べた。「日米で協議した結果」として日米地位協定24条2項の規定で提供施設整備などで生じたPCB廃棄物は日本が負担して処分することを決めたと説明した。

 日本政府は03~22年度でPCB廃棄物約463トンを引き取り、約4億5千万円を費やして処理してきた。

  (明真南斗)