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通報手続き徹底求め 沖縄知事「怒り、政府は受け止めを」 米兵女性暴行


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 在沖米海兵隊員の男が女性に性的暴行を加えてけがをさせ、不同意性交致傷の容疑で逮捕、起訴されていたことが明らかとなったことについて、玉城デニー知事は28日、県庁で記者団の取材に対し「非人道的で卑劣な犯罪が再び発覚したことは、県民に強い不安を与えるだけでなく、女性の人権や尊厳をないがしろにするもので断じて許せるものではない。強い憤りを禁じ得ない」と非難した。

 日米で合意した通報手続きの徹底や2017年以降開かれていない「米軍人・軍属等による事件・事故防止のためのワーキングチーム」を早急に開催するよう求める意向も示した。

 昨年12月に発生した米空軍兵長の男による少女誘拐暴行事件が明るみに出たことに続いて、在沖米軍兵士を被疑者とする性犯罪事件が判明した。今後、上京して抗議するなどさらに踏み込んだ対応をするかを問われ「必要性は高まったと思う。こういう状況が野放しにされているのは、遺憾の意を超えている怒りだと受け止めてもらわないといけない。早急に対応策に取り組むよう強く要請する」と強調した。

 県警本部の鎌谷陽之本部長と28日に意見交換し、昨年12月に発生した誘拐という重大事件を公表しなかったことで、地域の住民や特に子どもの安全を守ることができないのではないかという懸念を伝え「米軍関係者が逮捕された時点で速やかに情報としてあげてほしい」と求めた。鎌谷本部長からは「特に性犯罪にかかる情報提供については被害者保護の観点から個別に判断する必要がある」と説明があったという。

 (沖田有吾)