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こども相、原告に直接謝罪 議連、不妊救済へ新法検討 旧優生保護法 違憲


こども相、原告に直接謝罪 議連、不妊救済へ新法検討 旧優生保護法 違憲 旧優生保護法を巡る最高裁判決を受け、原告の北三郎さん(仮名、左から2人目)らと面会し、要求書を受け取る加藤こども政策相(左端)=4日午前、こども家庭庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 障害を理由に不妊手術を強いた旧優生保護法を憲法違反とし、国の賠償責任を認めた最高裁判決を受け、加藤鮎子こども政策担当相は4日、原告の一部と面会し「多くの方々が心身に多大な苦痛を受けた。政府として真摯(しんし)に反省し心からおわび申し上げる」と直接謝罪した。こども庁は、旧法を改正した母体保護法と被害者への一時金支給法を所管している。 (6面に関連)

 また被害者補償に関し、超党派議員連盟が新法制定を軸に検討していることが関係者への取材で判明した。議連は来週会合を開き、今後の対応や詳細を巡り協議する方針。被害者が高齢化していることを踏まえ、秋の臨時国会への法案提出も視野に、救済の動きを加速させる見通しだ。
 新法制定に際しては、国の違法行為に対する補償金の金額や対象範囲などが議論されることになる。
 確定判決は手術された本人への賠償額は1100万~1650万円としており、全国被害弁護団はこの金額をベースに、議連と協議を進めたいとしている。
 加藤氏は4日午前にこども庁で原告らと対面。「判決を非常に重く受け止めている。まずは確定した判決に基づく賠償を速やかに行う」と述べた。原告らは全面解決に向け、基本合意の締結や全被害者に対する補償法の制定、差別根絶のための教育などを求める要求書を手渡した。
 こども庁幹部らとの意見交換で、仙台訴訟の飯塚淳子さん=70代、仮名=は「長い間大変な思いをしてきている。早く解決するようにしてください」。東京訴訟の北三郎さん(81)=仮名=は「やっと昨日、光が訪れてきた。私の折り返し地点だと思う」と話した。
 最高裁大法廷は3日、障害のある人らが国に損害賠償を求めた5訴訟の判決で賠償責任を認定。「国を免責するのは著しく正義・公平に反する」とし、不法行為から20年の経過で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用しなかった。