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損傷サンゴの移植継続へ 沖縄・辺野古 環境監視委が了承


損傷サンゴの移植継続へ 沖縄・辺野古 環境監視委が了承 アンカーチェーンが接触し損傷したサンゴ(環境監視等委員会資料より)
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、大浦湾のサンゴが損傷された問題で、沖縄防衛局は12日、有識者から助言を得る環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院元教授)を開き、現況や今後の対応を説明した。くい打ち試験を行う作業船のアンカーチェーンが接触し、大型サンゴ3カ所に損傷が生じたと説明。防衛局側は「サンゴ類への影響はそれほど大きくない」として再発防止策を講じた上で移植作業を進める方針を示した。委員からは特段の指導・助言はなく、了承された形だ。

 防衛局によると損傷したのは、大浦湾北側のA護岸近くで生息する長径約2メートルほどの「ナンバー2」と呼ばれるサンゴ。最大で縦40センチ、横30センチが削り取られたようになった。周辺にはサンゴの破片もみられた。4日の潜水作業で確認した。

 防衛局は風や波の影響で船やアンカーが予定の位置からずれた場合の想定が弱かったと説明。全ての海上工事の受注業者にはアンカーと移植対象のサンゴの座標位置を必ず確認することや、サンゴとの間に、より十分な距離を確保することを周知・徹底するとした。

 損傷したサンゴ本体は予定した方法で移植するほか、損傷したサンゴ片も海底面に据え付けて回復を図るとした。

 サンゴの損傷を巡り県は9日、移植終了まで周辺での作業を控えることや、損傷したサンゴが移植に耐えうるか環境監視等委員会の見解を求めること、週に一度の経過報告などを求めていた。

 (知念征尚)