有料

「南西防衛強化」記載 15旅団の師団化計画も 24年版防衛白書


「南西防衛強化」記載 15旅団の師団化計画も 24年版防衛白書 2024年版防衛白書に掲載されているコラム「南西防衛体制の強化」
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 【東京】防衛省が12日に公表した2024年版防衛白書は「南西防衛体制の強化」と題したコラムを初めて掲載している。3月にうるま市の陸上自衛隊勝連分屯地で開催された第7地対艦ミサイル連隊の新編行事の写真を添えた。16年の陸自与那国駐屯地の開設以降の「南西シフト」の経緯を紹介し「(今後も)第15旅団の師団への改編などを計画しており、目に見える形で防衛体制を強化していく」と記した。

 前回まで「与那国と台湾」という題でコラムを設けていたが、今回は変更して全体的な状況を解説した。一方、うるま市で陸自訓練場計画を断念した経緯などには触れなかった。

 24年3月に米軍キャンプ瑞慶覧の一部であるロウワー・プラザ住宅地区の住宅を取り壊した上で「緑地ひろば」として一般開放したことについてもコラムを設けた。防衛省は「沖縄の基地負担軽減策で地元の皆さまから一定の理解・支持を得られる象徴的な施策として、取り上げるにふさわしいと判断した」と説明した。

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設については、設計変更に関する最高裁判決を経て代執行に踏み切った経緯や大浦湾側の工事に着手したことなどを盛り込んだ。23年11月に鹿児島県・屋久島沖で米空軍のCV22オスプレイが墜落して乗員8人が亡くなった事故も記載した。

 台湾周辺での中国軍の動向もまとめた。23年8月に当時副総統だった頼清徳総統の米国立ち寄りを受けて、中国軍が展開した演習について「対台湾侵攻作戦の一部が演練された可能性がある」と記述している。一方、「22年8月の演習や23年4月の演習と比較すると、小規模であったとの指摘もある」と説明している。

 (明真南斗)