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PCB米国製、本国へ 在日米軍 環境管理基準を更新


PCB米国製、本国へ 在日米軍 環境管理基準を更新 日米の国旗(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 【東京】在日米軍は日本国内の基地に関する環境対策を定めた「日本環境管理基準(JEGS)」を更新した。13日までに公表した2024年版は、人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)が在日米軍基地内に未処理で残されている問題に関し、米国製については米本国に送り返す一方、日本製については日本政府と協議した上で日本で処分する方針を明記した。

 高濃度PCB廃棄物は本来の処理期限を過ぎており、民間企業なら違法状態だが、米軍基地内での残量は把握できておらず処分方法も確定していなかった。

 今回、処分方針を明記したことは一歩前進した形だ。ただ、防衛省が実施する基地内工事でPCB機器が見つかった際、引き取って代わりに処分する手法は続ける可能性がある。日本国内の処分場で処理する場合、周辺住民の反発が予想される。

 JEGSの記載によると、23年12月時点の未処理リストを作成していることが読み取れる。日本国内で処分する可能性があるのは、リスト作成時までに把握していたものに限定することも明記している。後から見つかった分は日本製であっても米本国で処分することを原則として記している。

 7月末に都内で開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表は、PCB問題を挙げて「2国間環境協力の強化」をうたっていた。 

(明真南斗)