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政府、水産業者支援強化へ 福島原発処理水放出1年


政府、水産業者支援強化へ 福島原発処理水放出1年 東京電力福島第1原発の立て坑に流れ込む、海水で希釈した処理水(右下)=22日(共同通信社ヘリから)
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 東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出開始から24日で1年となった。岸田文雄首相は福島県いわき市を視察し、水産物の販路拡大に向けた支援に万全を期す考えを示した。中国による日本産水産物の輸入停止措置を巡る関係閣僚会議を25日からの週内に開き、秋に策定する経済対策を見据えた方向性を示すとした。
 漁業者の懸念解消につながるかどうかは不透明。22日には福島第1原発2号機で溶融核燃料(デブリ)の取り出し作業がミスで中断。東電の管理の甘さにも漁業者らの不信感が募る。
 首相はいわき市の小名浜魚市場を視察し、福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長らと意見交換した。中国の輸入規制は「全く科学的根拠に基づかない措置で受け入れられない」と改めて批判し、あらゆるレベルの交渉を通じて即時撤廃を求めると明言。引き続き漁業者支援に取り組み、国が前面に立って廃炉を進めるとした。