【ニューヨーク13日=石井恵理菜】訪米中の玉城デニー知事は13日(日本時間14日未明)、ニューヨークの国連本部で国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長と面談し、意見交換を行った。相次ぐ米軍人による性的暴行事件やその通報体制の課題を説明した。県によると中満氏からは、米軍人の綱紀粛正や再発防止、通報体制の徹底は米軍、日本政府、県民にとっても重要であるとし、「そのような認識が全ての関係者の間で共有されるべき」と県の考えに理解を示したという。
面談は非公開。玉城知事は面談後、報道陣の取材に対し、「なぜ通報体制が機能しなかったのか丁寧に確認し、互いに実行する努力をすることは日米同盟に対しても非常にメリットがあると、中満次長と確認できた」と振り返った。
玉城知事は県の地域外交の取り組みも紹介した。県によると中満氏からは「沖縄県の地域外交は対話によって地域の緊張緩和と信頼醸成を目指す素晴らしい取り組みだ。このような取り組みをぜひ広げていただきたい」と発言があったという。県は来年の沖縄戦80年の節目に合わせて、中満次長に対し沖縄全戦没者追悼式への参加、県の平和外交のシンポジウムへの参加を呼び掛けた。
玉城知事は同日、米中枢同時テロの標的となった世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」を訪問し、献花をした。その他、ニューヨーク大学の教授で県系人のアンマリア・シマブク氏との意見交換、地元マスコミからのインタビュー、ニューヨーク県人会との懇親会に参加した。14日にニューヨークを出発し、15日に日本に帰国する予定。