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首相 初視察、防災庁の設置強調 能登豪雨、激甚災害指定へ 野田氏「補正優先を」


首相 初視察、防災庁の設置強調 能登豪雨、激甚災害指定へ 野田氏「補正優先を」 地震と記録的豪雨の被害に遭った石川県輪島市内を視察する石破首相(左、代表撮影)と立憲民主党の野田代表=5日
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石破茂首相は5日、石川県輪島、珠洲両市を訪れ、1月の地震、9月の豪雨の被災状況を確認した。視察後、内閣府防災担当の人員と予算を飛躍的に向上させ、防災庁設置へ準備を進める考えを記者団に強調した。地方視察は就任後初めて。立憲民主党の野田佳彦代表は輪島市を訪問後、防災庁設置よりも2024年度補正予算編成を優先すべきだと主張した。
 首相は同県の馳浩知事と面会し、復旧・復興支援に関する要望書を受け取った。豪雨被害を復旧事業の国庫補助率が上がる「激甚災害」に指定するとともに、災害廃棄物処理は能登半島地震と同水準の支援を行う方針を伝えた。激甚災害指定は地域を特定せず災害そのものを対象とする方向。
 首相は、復旧工事の加速化のため、県による対応が難しい河川災害、土砂災害については、県に代わって国が緊急復旧を行うよう国土交通相に指示する意向だ。4日には能登地域の被災地対応に万全を期すとして、10月中旬をめどに追加の予備費措置を講じるよう関係閣僚に指示した。
 首相は5日、豪雨により住宅が流失した現場や地震で大規模火災に遭った「輪島朝市」を訪問。輪島市の小学校の避難所では住民らと意見交換し「地震と水害で心が折れそうになったときに、できるだけ良い避難所の環境をつくるのが政府の仕事だ」と語りかけた。
 野田氏は、輪島市で豪雨のため浸水したスーパーや流木などが残る住宅地を視察した。記者団の質問に答え、首相の防災庁設置構想に関し「屋上屋を架すような感じだ。既存の枠組みでできないのかどうか。よく検討すべきだ」と指摘。その上で「被災地のために早く補正予算を組むという現実対応の方が先ではないか」と強調した。