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PFAS 水質管理強化へ 「目標」から「基準」に格上げ 水道事業者に改善義務 環境省検討


PFAS 水質管理強化へ 「目標」から「基準」に格上げ 水道事業者に改善義務 環境省検討 (イメージ)
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 全国の河川やダム周辺などから発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題を受け、環境省がPFASについて、法的義務を伴わない現行の「暫定目標値」から水道法上の「水質基準」の対象に格上げする方向で検討していることが19日、政府関係者への取材で分かった。水質検査や、濃度が一定の数値を超えた場合の水質改善といった対応を水道事業者に義務付ける。

 日本水道協会の最新の水道統計で、一定の数値を検出した地点が確認され、基準格上げの要件を初めて満たした。

 現在は目標値を超過しても対応は努力義務にとどまる。水質基準では現在、ヒ素や水銀など51項目が指定され、満たすべき濃度基準などが示されている。

 PFASは水や油をはじき、熱に強い特徴があり、フライパンのコーティングや食品包装など幅広く使われてきた。米軍や自衛隊基地、化学工場周辺で検出される事例が多い。

 暫定目標値は、1万種類以上あるPFASの代表物質PFOAとPFOSの合計で、1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)。環境省の2022年度の調査で、全国16都府県の河川や地下水など111地点で暫定目標値を超える濃度で検出された。

 水道統計の対象は主に市町村が運営する約1300の上水道事業や、都道府県などが市町村に水を供給する100近くの水道用水供給事業など。22年度の水道統計で、基準格上げの要件の一つになっている「暫定目標値の10%超過」となった地点が20~22年度の3年連続で初めて確認され、それまでの検出状況と合わせて格上げ要件を満たした。

(共同通信)