【島人の目】国際食料見本市と県人会


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 ある新年会に、クーブイリチー(昆布いため)とスヌイ(モズク)の酢の物を持っていったら非常に喜ばれた。特にモズクは大好評で、「どこで買えるのか」と尋ねられた。乾燥モズクであることを告げると、皆驚いていた。実は、私も初めて使ったのだが、なかなかいけるとうれしくなった。早速、一時帰国の際の買い物リストに書き加えた。
 先日、日本人の友人宅の新年会に招かれたら、何とそこに久米仙があった。聞いたところ、息子さんからのクリスマスプレゼントという。息子さんがアルバイトをしているデパート内のすしバーに行ったら、何と幾種類もの久米仙が飾ってあった。
 昨年10月、ケルンの国際食料品見本市に、沖縄から久しぶりに出展があった。あいにく私は一時帰国中で参加できなかったが、ドイツ県人会とも親睦(しんぼく)会が持たれ、残った品物が県人会員に回って来た。その一つが乾燥モズクで、出回っている久米仙もその見本市の成果だろうと思う。
 この見本市には1989年、私の記憶に間違いがなければ91年、93年も沖縄から出展があり、沖縄県人会との親睦会が開かれた。いや、正確には89年には、まだ県人会はできていなかった。この会に参加したのは3家族で、その日に、これから時々会おうと約束、ミニ県人会が発足したのである。ドイツ沖縄県人会にとっては忘れられない見本市だ。そして、また出展が再開されたことは大変にうれしい。いつの日か、沖縄のたくさんの食品がドイツで買えるようになることを待ち望んでいる。
(キシュカート外間久美子、ドイツ通信員)