【アメリカ】米国で熱い人気 日本生まれのパズル「スドク」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本食やアニメに続いて今、アメリカで新たなブームを呼んでいるのが日本生まれのパズル「スドク」だ。「スドク(数独)」は、縦横それぞれ九列の正方形の升の中に、同じ数字が重ならないように1から9の数字を入れて完成させるパズル。昨年4月、アメリカで最古の新聞で、柔らかいネタで人気のニューヨーク・ポスト紙(タブロイド判、50万部発行)が初めて連載を開始。「右へならえ」とばかりに、西海岸でもロサンゼルス・タイムズ紙が追従した。
 ロサンゼルス・タイムズ紙には、連載開始と同時に「毎朝、30分早起きして、コーヒーを手に取り組んでいる。もっと回数を増やして」という読者からの問い合わせが相次いだため、連日掲載にしたところ、それまで低迷していた購読者数が増加するといううれしい波及効果も生んだ。
 パズルといってもかなり頭を使わないと解けない問題もあるらしく、やればやるほどのめりこんでいってしまう奥の深い思考型ゲームで、熱狂的なファンは中高年層が中心。
 もっと難易度の高いものにチャレンジしたいと、大手書店に「スドクの専門書」を求めてやってくる人が後を絶たず、夢中になりすぎて仕事が手につかなくなる「スドク強迫観念症候群」という言葉まで生まれたほど。
 また、日本のような計算ドリルのないアメリカの小・中学校では、子供たちの計算力を高めるのに役立つと、宿題に取り入れる学校まで登場し始めた。
 あっという間にアメリカ全土に広まったスドクブーム。ここまで人気が高まった理由は、言語に関係なく数字だけで解読できるシンプルさにあるようだ。
 アメリカでヒットする鍵は、「言葉を介さずにみんなが理解できるもの」。考えてみれば、今年のグラミー賞では惜しくも受賞を逃した喜多郎の音楽も言葉を使わないシンセサイザー。となると、三線を使う琉球民謡だって可能性は十分だ。次なる日本ブームが、沖縄から海を越えてやってきてほしい、とひそかに願っているきょうこのごろである。
(平安名純代通信員)