【交差点】ボーダーレス


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 インターネットが普及してボーダーレスな世の中になってきた。国際的に活動している企業、個人、若者にはすでに当たり前のことだが、インターネットテレビ電話が非常に普及してきている。
 シンガポールは海外から多くの外国人を受け入れている。メードの場合もそうだったが、店舗の店員をフィリピンから、カフェのウエートレスを中国から採用することにした。当然、面接が必要だが、この面接はすべてインターネット経由のテレビ電話で行われる。
 中国各地やフィリピンなどの違う国にいる志願者を何人も同時に会議方式での面接が可能だ。10年前、私がシンガポール大学大学院受験の際の面接は電話だったのを考えると、すごい勢いで進歩している。
 弊社では店舗数も多くなったことや防犯のために、監視カメラを店舗に設置している。これもネット経由で自宅にいながら店舗に指示が出せるし、ネットなので仮に沖縄に帰郷しているときでもそれが可能なのである。確かに、実際に人と会い、言葉を交わすということは非常に大切であり、何でもインターネットで解決することはできない。だが、グローバルに活動していく上での障害は大きく低減されていると感じている。
 日本にいるデザイナーとのデザインの打ち合わせも簡単にできる。沖縄でも、いや沖縄でこそ、ITシステムが大いに普及するべきだろう。沖縄にいるデメリットはなく、世界へ挑戦していける環境にあると思う。
 私は名前の通り長男である。今はシンガポールを拠点にしており、沖縄に長く滞在することができずに非常に残念な思いをしている。実は私はIT音痴なのだが、こういう先端のインターネットの利点をできるだけ取り入れ、沖縄やシンガポールにいながら世界に挑戦していけたらと考えている。(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)