タイで沖縄食材に商機


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 4月末から2週間、バンコク市内のデパートで開かれた「沖縄フェア・2008」。タイでの沖縄食材の展示即売会は今回が初めてだという。在タイ県出身者として最初の感想は「よかった! やっと来た!」。というのは、最近タイでは「日本食ブーム」に乗って、日本食をめぐるマーケットが活発化しており、「沖縄にも商機があるはず」と、沖縄食材がタイに乗り込んでくる日を心待ちにしていたのだ。
 例えば、ほぼ毎月のように開かれている、日本各地の自治体主催の「特産品フェア」は、毎回盛況。首都バンコクを中心に約800軒の日本食レストランがあるそうで、これもタイ人に大人気だ。
 また先月、日本の食材の輸出拡大や、レストランの普及などを目的とする、NPO法人のタイ支部もできた。そんな活況の中での沖縄フェアの開催をとてもうれしく思った。
 会場で、お客さんの反応を遠くから眺めてみた。紅芋を使った菓子や黒糖、そして何とモズクが大人気。もろみ酢や泡盛も順調な売れ行きだったようだ。
 残念だったのは、沖縄そば。タイ人は大の「麺(めん)好き」なので、インスタント商品でも試食できたらもっと売れたかもしれない。次回に期待したい。
 「沖縄食材は、日本本土のものと違って、タイで受け入れられるかどうかは未知数」という、商社の指摘もあるそうだ。しかし、最近のタイ人の「健康・安全・おいしい」の嗜好(しこう)に沖縄食材は十分当てはまる。PRと売り方次第か。今回の開催を機に、タイ人市場、そしてタイに4万人以上いる在住日本人のマーケットへどんどん売り込みをかけてほしいと期待している。
(古石千八恵、バンコク在住)