【交差点】中国・四川大地震


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 5月12日午後2時28分、中国四川省でマグニチュード(M)7・8の大地震が発生し大きな被害をもたらした。発生から1週間たった5月19日には、一斉に全国民が「哀悼の意」を表し3分間の黙祷(もくとう)をささげた。全国各地、学校、職場、工場、地域などで追悼式が執り行われ21日までの3日間は「喪に服す」こととなった。

 福建・沖縄友好会館内のロビーでは、福建省政府外事弁公室主催の追悼式が執り行われ、多くの関係者が出席した。また、同会館内には「義捐(ぎえん)箱」も設置され参加者はじめ友好会館を訪れる方々への支援協力呼び掛けも行われた。
 被害を受けた同胞に少しでも手を差し伸べようとする温かい気持ちで友好会館内は満ちあふれ、外国人である私たちも中国国民と共に被災者への哀悼の思いを合掌に念じた。1日も早い復興を心から願う中、鳴り響くサイレンの空しさに胸が熱くなる思いがした。
 一方、情報社会を象徴する「インターネット」上でも一切の娯楽メニューが中止され、さらには、カラー文字やカラー広告などもすべてが「白黒文字・絵」のみになるなどネット上においても中国国民の被災者への心遣いが身にしみて感じられた。
 中国のこの地で中国国民の深い悲しみが伝わるようである。普段は走る車のクラクションで忙しい街の雰囲気も一変して静けさが包み込み、中国国民の深い心の痛々しさを感じさせる。一瞬にして親きょうだいを失う気持ち、また、掛け替えのない幼い子供を失った若い夫婦など、地震の被害は想像を絶するのである。
「加油中国(頑張れ、中国!)」
(仲宗根信明・県産業振興公社福州事務所長)