【島人の目】外国人受け入れ


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 先日、滞在許可証更新のため、管轄の警察署に行った。警察署の前には20人ほどの人が並んでいた。事務所に入り、整理券を取ると、125番。そのとき呼ばれたのは60番台だ(その番号も受け付けのためのもの)。働いている人は5人(うちひとりは研修生)。それだけで、100人余の申請者の対応をしていた。
 一時はどうなることかと思ったが、朝、10時に来て、午後3時に終わった。私に費やされた時間は、受け付け、窓口含め十分もかからなかった。
 私が行った管轄の署は、仮の許可証を発行するところで、黒人、南アジア系が圧倒的に多かった。家族ぐるみも多く、みんな滞在許可証を持ってフランスに住むことを願っているのだ。
 現在、フランスでの外国人をめぐる状況は非常に厳しく、サルコジー内相は「移民選別」を含んだ法案を国会に提出している。私たちからすれば、とんでもない政治家だ。
 しかし、私も外国人で、有色人種であるが、客観的に見て、こんなにもたくさんの外国人の受け入れを許すとなると、政治、文化、そして、人種分布にも大きくかかわってくるだけに、やはり「規制」が必要なのかとも、ちらっと考えたりする。
 また、こんなにたくさんの外国人に、毎日、「仮」とはいえ、許可証を出す、寛容さ。外国人を受け入れてきた歴史、伝統を強く感じる。
 (又吉喜美枝・フランス通信員)