【島人の目】宮古とドイツ、子供らの交流


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 以前に、宮古の小学校のクラスとドイツの学校のクラスとの文通ができないかとの宮古側からの申し出に、ドイツの学校を当たったところ、ドイツ人教師の無関心さにガッカリしたことを書いたことがある。その反響は大きく、その後の進展を知りたいという幾人かの声があったので報告しようと思う。ちょうど「手紙」をテーマに扱うというドイツのクラスがあり、ほとんど決まりかけていたのだが、日本は3学期も終わりに近づき、時期的に難しいということで振り出しに戻った。その後も何校か当たって、幾人かの教師たちとの話し合いで、私はドイツの教師たちのために汚名をそそがなければいけないことに気がついた。
 ドイツの学校の夏休みは、州ごとに、年ごとに移動することも以前紹介したが、私の住むノルトライン・ヴェストライン州の今年の夏休みは、一番手で6月26日から始まる。1学期の終わりは1月31日、2学期の開始が2月1日であることは毎年同じであるために、今年のわが州の2学期は非常に短いのである。その短い期間にすべてのカリキュラムをこなし、成績まで出していかなければならない教師たちのストレスは大きい。
 日本のようにホームルームなるものがないために、クラス単位の文通をするには、クラス担任である教師の授業を割くしかなく、非常に短い学期のためそれも不可能のようだ。では、放課後に時間をつくれないものかと投げ掛けると、教師たちの問題だけではなく、生徒たちが学校に残ることも難しい事情がみえてきた。
 クラブ活動がないので、1時半ごろに授業を終え帰宅して昼食を取り、宿題を済ませると、個々に所属しているスポーツやダンスクラブ、音楽学校、美術クラブなどに通うのがほとんどで、残ってクラス単位のことをすることは無理そうである。実に残念であるが、あまりにもシステムと学期の時期の違いがあり、クラス単位の文通はあきらめるしかない状況である。
 しかし、私のピアノの生徒たちが非常に興味を持ち、何人かが手紙を書いてくれた。宮古とドイツの子供たちの交流は別の形で始まりそうである。
 (キシュカート外間久美子、ドイツ通信員)