環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加阻止やサトウキビ政策の確立を政府に訴えるため、JA沖縄中央会などでつくる県さとうきび対策本部(本部長・小那覇安優JA沖縄中央会長)は20日、豊見城中央公民館で県農業代表者の集会を開いた。
サトウキビ農家ら約千人が参加。「沖縄農業の基盤と地域社会を守るため、政府にTPP参加断念を強く求める」とする宣言を採択した。
集会では、日本がTPPに参加すると、県のサトウキビ生産や畜産業などに壊滅的な影響を与えるほか、食の安全性や地域経済へのダメージも懸念されるとし、断固反対を訴えた。特にサトウキビ栽培が離島地域の定住生活を守り、国益に貢献していると強調した。
今後、政府に対し、現行の糖価調整制度の堅持と財源の確保、甘味資源作物交付金の引き上げなどを求める。年内にも上京し、政府に要請する。
集会で小那覇本部長は「県農業を守るためにTPP交渉の正式参加に反対し、サトウキビ生産者が安心して生産に取り組める政策を強く求めたい」とあいさつした。
集会に参加した下地幹郎郵政民営化担当相は「TPP参加に断固反対し、2012年度のサトウキビ農家の平均手取り額をトン当たり2万3千円を確保したい」と述べた。そのほか山内徳信、糸数慶子両参院議員、前衆院議員の照屋寛徳氏、玉城デニー氏、瑞慶覧長敏氏、赤嶺政賢氏が参加した。
同対策本部によると、11年に相次ぐ台風被害などで、サトウキビの生産量は前年比28万トン減の54万トンまで減産し、02年以降最低の生産量となった。農家手取り額合計も69億円減の118億円となった。
12年産について、台風の影響などによる品質低下と10アール当たりの単位収量の低下が見込まれ、農家経営は深刻な状況にあるという。