アグーをDNA識別 1月システム完成


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アグーブランド豚肉識別システムの導入イメージ

 県畜産研究センター(今帰仁村、庄子一成所長)は、アグーブランド豚肉のDNA解析による識別システムの開発を進めている。

他品種との区別を明確にすることで、ブランドの産地保護や偽装抑止を強化する。来年1月にシステムを完成予定。県が豚肉の物流履歴を確認するため、本年度から整備に着手したトレーサビリティー事業と併せて推進する。
 県畜産研究センターは、県の産業振興重点研究推進事業の一つ「アグーブランド豚識別技術の確立」(2010~12年事業)を活用し、アグーブランド豚肉と西洋品種のDNA情報の解析を進めてきた。これまでに全体で約700頭のサンプルデータを蓄積し、両品種の識別技術を確立した。
 同センターは現在、サンプルデータを数値化したプログラムを作成中。完成すれば、調査対象の豚肉の数値化したDNA情報をプログラムに入力するだけで、品種の識別が可能になる。
 同センターの研究員は「生産者から消費者まで流通する中で、定期的にチェックする。その体制を県の事業と連携して構築していく」と話した。
 システム完成後は、特許取得も視野に入れ、チェック業務を希望する企業への民間委託を考えている。
 県は本年度から沖縄振興一括交付金を活用した「県産食肉ブランド国内外流通対策強化事業」を開始。3年をめどにトレーサビリティー体制の確立を目指しており、その一環として識別システムを活用する。
 県畜産課は「全国でも豚肉のトレーサビリティーは少ない。識別システムと併せ、今後のアグーブランド力の強化、消費者の信頼の確保につなげたい」と意気込みを語った。
(長嶺真輝)