高専学生が手造り泡盛 ワイン酵母使い果実の香り


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全工程手造りの泡盛完成を喜ぶ沖縄高専の学生ら=23日、名護市大中の津嘉山酒造所

 【名護】国立沖縄工業高等専門学校生物資源工学科の5年生36人が、仕込みから瓶詰めまで全工程を手造りした泡盛「香仙(こうせん)」が12月12日、県内酒販店で発売される。昨年に続く取り組みで、今年は泡盛酵母の代わりに業界初となるワイン酵母を使い、フルーティーな香りを前面に出したのが特徴。学生らは「狙い通りの出来」と完成を喜んだ。

 23日は泡盛造りを指導した津嘉山酒造所(名護市)で学生6人が瓶詰め作業をした。学生の泡盛造りは玉城康智准教授の提案で始まり、発酵に関する技術と知識を実践すると同時に地域ブランド創出が目的。昨年は香り成分を生む黒麹(こうじ)菌1種に絞った泡盛を造ったが、今回は麹菌を種付けした後に加える酵母をワインで使うものに変えた。
 玉城准教授によると、ワイン酵母は6種類の候補を研究室で培養し、泡盛造りに活用できる1種を選んだという。香り成分は華やかなアルコール系とフルーティーなエステル系があり、昨年のものに比べてエステル系が高いものができた。
 学生の真栄城克人さん(20)は「アルコールというより果物の香りが印象深い」とアピール。野口佳さん(19)は「来月20歳になる。早く飲んでみたい」と心待ちにした。
 43度の原酒は1・8リットルが4571円(360本限定、税別)、720ミリリットルが2190円(238本限定、同)。30度720ミリリットルが1600円(360本限定、同)。
 問い合わせは那覇酒類販売(電話)098(877)8018。