【チャイナ網路】高速バスの舞台裏


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 台湾西部の都市を結ぶ「国道客運(高速バス)」は、ほぼ全線24時間営業と非常に便利だ。南北をつなぐ台北・高雄間には、国光、統聯、阿羅哈(アロハ)、尊龍の4社が毎日584便を運行。9000人を運んでいる。運賃が5時間の道のりで1800円と安いのもうれしい。
 高速バスの運行が民間に開放されたのは、わずか10年前。それまではインターチェンジごとに高速を下りては客を拾う、白タクまがいの“闇バス”だった。当然事故が起きても補償など望めないが、安さと利便性の高さに、利用者は増え続けた。
 現在人気トップは阿羅哈。女性乗務員の細やかなサービスが同社のウリだ。飛行機のファーストクラスを思わせる豪華な座席は、全席マッサージ機能付き。液晶テレビで好きな映画やゲームも楽しめる。運賃は同区間最高だが、それでも2300円と高くはない。
 元国営の国光は地味だが悪くない。他社の車両が輸入品のエンジンとシャシーに車体を付けた改造車であるのに対し、車両で輸入する同社の車体は衝撃に強い。奇抜なサービスも、命には代えられない。
 (渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)