電線地中化製品 開発へ 大和コンクリート工業


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県産業振興公社の支援事業の採択通知書を交付される大和コンクリート工業の豊里友彦社長(中央)=27日、那覇市の同公社

 各種コンクリート製品の製造・販売を手掛ける大和コンクリート工業(うるま市、豊里友彦社長)は、電線地中化など電線共同溝に活用されるレジンコンクリート製品の開発に取り組む。これまで同製品は本土から取り寄せており、県内での製造は初めて。将来的には海外展開も目指していく。

 レジンはセメントの代替で、接着剤的な役割を果たす。技術開発に取り組むレジンコンクリート製品は、通常のコンクリート2次製品に比べ耐久性が格段に高く、水密性や軽量性などに優れているという。電線地中化を県内で推進するに当たり、塩害抑制など沖縄の気候特性に適したレジンコンクリート配合技術の研究が課題とされてきた。
 大和コンクリート工業は、同製品の製造方法などの研究に近く着手する。
 今回はさらに、沖電工(那覇市)と協力し、電線などで絶縁体として使われ劣化した廃碍子(がいし)を再生させるリサイクル技術の確立にも連動して取り組む計画で、新たな事業の目玉となっている。
 製品化への取り組みは、2012年度県産業振興公社の戦略的製品開発支援事業(2年間)に採択された。事業は一括交付金を活用。初年度の開発費用は4千万円で3千万円を同公社が支援する。沖電工のほか、サンレック(東京)とも連携を図り、同社から指導を受けながら、製造技術の習得に取り組む。
 27日、那覇市の同公社で採択交付式があり、勝目和夫専務理事は「新しい製品を開発し、積極的に外に出す事業展開を望む。雇用面など地域経済の振興にもつなげてほしい」と激励。豊里社長や小橋川健常務兼工場長は「リサイクルを組み合わせた、より耐久性があるレジンコンクリート製品を開発し、県外だけでなく海外にも供給できる体制を目指していきたい」と抱負を述べた。