かりゆしウエアの製造販売を行うソーイングアイ(うるま市)を含む県内縫製事業所3社と海邦総研は、沖縄を縫製工場の集積地として成長させる「縫製ビレッジ沖縄プロジェクト」を事業展開している。
第1弾として県外大手OEM(相手先ブランドによる生産)の縫製工場1社を県内に誘致、今後生産体制の確立などを図り、沖縄発の縫製品の認知向上に努める。
県の2012年度事業「縫製業新展開促進事業」を受託して同プロジェクトを進める海邦総研は、今後県外、海外での商談会を予定。第1弾は13年2月ごろに台湾か香港で開催を検討している。県内技術者のレベル向上に向け、県外大手メーカーへの技術研修のコーディネートも積極的に推進する。
今回選定された県内事業者は、ソーイングアイのほか、かりゆしウエア製造販売のニチハン繊維(糸満市)と、「パイカジ」ブランドでアロハシャツなどを販売するジュネ(豊見城市)。各社県外、海外メーカーとの提携や、販路拡大を進めていく。
同事業で県内に誘致したOEM第1号となった福島県の大手縫製業者リオ・ビアンコは11月1日、豊見城市に沖縄支店(工場)を開業。工場責任者を除く9人の作業員全員を県内から雇用し、来年3月までには15人体制にまで拡充予定。ジュネのかりゆしウエアブランドを100%受託するほか、13年度以降は、県外のブランドのシャツも含め年間4万枚を生産する。
28日に県庁で記者会見を開いたソーイングアイの大坪愼治社長は「県外、海外に打って出るには生産力が必要になる。海邦総研と一緒になって販路を開拓していきたい」と意気込みを語った。