県産青果卸の「真南風」 東京に初の直営店


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県産青果卸しの真南風が2013年1月に東京に初出店する直営店「心花」のイメージ図

 有機肥料で栽培した県産青果を県外に卸す真南風(まはえ)(那覇市、坂本勇一郎社長)は2013年1月、同社初の直営販売店「心花(ここはな)」を東京都世田谷区に出店する。沖縄を含む西日本の無農薬野菜、肉、魚を中心に取り扱い、「安心・安全・美味(おい)しい」をコンセプトに展開。卸先との契約に左右されない直売店を経営することで、取引先の県内農家の販路安定を図る。

5年後には関東を中心に10店舗まで拡大し、全店で売り上げ100億円を目指す。
 1995年創業の真南風は、石垣島産パイナップルの取り扱いを皮切りに、県産青果の県外卸を拡大してきた。現在は宮古島や八重山地方を中心に県内100農家以上から青果を仕入れている。
 取扱品目はパイナップルやマンゴーなどの果実、ピーマンやインゲンなどの野菜のほか、島ラッキョウなどの島野菜もあり、全体で30~40品目。卸先は99%が県外で、9割が宅配業者。そのほか、関東一円と京都にそれぞれ展開する二つのスーパーにも卸している。
 新店舗は2階建てで、1階に売り場、2階に事務所を構える。売り場面積は約260平方メートルで、商品は2千~3千アイテムを取り扱う。全体の15%を農産物が占め、その内の3割ほどが県産青果。将来的には県産の畜産物や水産物も販売し、全体の半分を県産品で占めたい考えだ。
 坂本社長によると、東日本大震災以降、国民に安心・安全の意識が高まっており、十分ニーズはあるという。また、県外産の品薄期に県産野菜を充実させ、需要の拡大を図る。坂本社長は「販売業者との契約はいつでも安心して卸せるか分からない。預かったものを直接販売して、農家の気持ちをそのまま表したい」と力を込めた。(長嶺真輝)