『わが家の闘争 韓国人ミリャンの嫁入り』趙美良著


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『わが家の闘争 韓国人ミリャンの嫁入り』趙美良著

韓国のリアルなお国事情がわかる

 流行りの韓国ドラマにもK-POPにもハマっていない。が、韓国料理は大好きだし、時として聞く韓国人男性の優しさ、熱烈さについては―例えば、毎月付き合った記念日を祝うとか、サプライズが大好きとか、カバンは絶対男性が持つとか―ワイドショー気分で興味津々。

 ちょっと強気な韓国人、ミリャンさんの嫁入りエッセー。日本人の旦那と結婚し、生活していく中で感じた日本と韓国の文化の差を綴る。居・食・住から恋愛、受験、就職、兵役、整形など、韓国のリアルなお国事情がうかがい知れる。
 兵役の裏側、TOEIC至上主義の就職戦線、オープンな整形手術などメディアを通してなんとなく知っていた事柄が、友達との世間話をしているような感覚ですんなり頭に入っていく。「女が嫌う(男の)話ベスト3」も笑った。「1位:軍隊でしたサッカーの話 2位:軍隊の話 3位:サッカーの話」。自由を奪われ、同じ苦しみを味わったがゆえの結束が固く、お酒の席で繰り広げられる「軍隊話」に女性はうんざり、だそう。なんか、わかる。
 恋愛話もやはり興味深い。「韓国人男性の押しの強さは世界一」だそうで、付き合う前に何度も家の前に駆けつけてきて告白するとか、女性は男性に守られなければならない存在だとか、日本の男性とはかけ離れすぎていて、「みんな兵役に行けばこうなるのか?」という極論を抱きたくもなる。
 恐らく食いしん坊なミリャンさんが語る、韓国料理が本当においしそう……。本を読みながらよだれが出るかと思ったのは久々。読後、あー韓国行って屋台でおいしいご飯が食べたい!と思った私は、この本を誤読していないか、いささか不安である。
 (ミシマ社 1500円+税)
(共同通信)
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 えとう・かんな 1980年生まれ。書籍編集を経て、雑誌編集の道へ。女性の興味・関心ごとを探る日々。好きなものは、こけしとおかし、お寺と仏像、お笑い全般。得意ジャンルは、雑学、ブーム、ゴシップ系。くだらないこと(もの)、大歓迎!

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趙美良
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