沖縄総合事務局が3日発表した2011年の県内農業産出額は、前年比13・4%減の800億円で、復帰後ピークを迎えた1985年以降最低となった。
畜産部門は前年並みを維持したものの、東日本大震災によるキクの価格下落や、台風被害によるサトウキビや葉タバコの生産量減で耕種部門が大きく落ち込んだ。
耕種部門は22・3%減の431億円。サトウキビが36・8%減の118億円、葉タバコも65・1%減の16億円と大幅に減少。花卉(かき)は15・7%減の91億円と落ち込み、野菜も日照不足や長雨の影響などで6・9%減の120億円と、ほとんどの品目で減少した。
畜産部門は前年並みの370億円。豚が農家の高齢化による廃業などで4・0%減の126億円だったが、肉用牛は子牛価格の上昇により1・4%増の136億円、鶏も鶏卵の生産量増加により6・6%増の68億円だった。
個別農産物の産出額上位は、肉用牛が5年ぶりに1位で、2位が豚、サトウキビは復帰後初めて3位に後退した。4位キク、5位鶏卵となった。
全国の11年産出額は1・1%増の8兆3462億円。沖縄は前年から一つ順位を下げ34位。シェアは0・1%減の1・0%だった。
県内農業産出額は72年の復帰以降、年々順調に増加し、85年に1160億円とピークを迎えた。その後は減少に転じ、近年は900億円ほどで推移していたが、11年は2年ぶりに800億円台に下落した。