貨物船寄港に助成検討 県産品の香港輸出迅速化へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
香港への県産品輸出で11年度に上海経由で活用していた外国貨物船。次年度は別の直行便の活用が検討されている=2012年10月、那覇新港

 那覇港管理組合は2013年度からの県産品の海外展開拡大に向け、現在は中国や台湾を経由している香港への輸出を、直行貨物便の活用に向けて調整を進めている。

具体的には沖縄周辺海域を通過する貨物船に助成し沖縄に寄港させる手法を検討しており、船社にも前向きな意向があるという。上海経由で15~19日、台湾経由で11日かかる輸送日数を、直行便だと最短2日と最大10分の1まで短縮できる見込みだ。
 一括交付金の活用を視野に、県と那覇市、浦添市の予算化に向けて取り組みを進めている。那覇港管理組合の担当者は「リードタイム(輸送日数)が短縮できれば冷凍物も香港に送れるようになる」と実現に期待を示した。
 県産品の海外展開支援には現在、那覇港を活用した物流ビジネスモデル・社会実験を実施中。同事業は10年度から始まり本年度が最終年度。香港、台湾への混載輸出の社会実験や、ビジネスの可能性を探るコンテナ輸送のトライアル事業などを進めている。
 13年度の新支援事業は、輸出貨物増大支援事業として検討中。社会実験と同様に香港以外にも台湾や東南アジアへの展開も視野に入れる。
 検討している支援案では、船社には、沖縄寄港に伴う燃料費などを含めて数千ドル(数十万円)を、荷主にも20フィートコンテナ1本当たり1万円を助成し、動機付けとしたい考えだ。
 香港への輸出支援について11年度は上海を経由していたが、輸送日数が最長19日かかり短縮を求める声が上がっていた。
 それを受けて12年度は台湾北部の基隆を経由して輸送日数は11日と最大4割短縮する経路を選択。12月10日から来年2月まで、2週間に1回の割合で小口混載社会実験を開始する。
(滝本匠)