高密度集積回路(LSI)開発のマグナデザインネット(那覇市、松尾龍一社長)は6日、今年2月に自社開発した電波解析装置「LTEエアーアナライザーシステム」を改良し、本格的に販売を開始すると発表した。
業界初となるアンドロイド端末への対応と、無線通信規格「ブルートゥース」に対応することで、通信会社が屋外で使用する際の利便性を高めた。
動画配信など大量のデータをやり取りできる高速通信「LTE」は国内外の通信会社が導入している。
電波の強度やノイズなどの質を計測する同装置は、建物などの影響でLTEの電波が届かなかったり、通信が途切れたりする接続障害を解析し、基地局の設置調整やエリアの改善調査に使われる。年内にも県外の計測機器メーカーなど3社と代理店契約し、国内を中心に国外の通信会社にも販売網を拡充する。
GPSを内蔵しLTE信号を受信解析する本体、データのモニターとなる独自開発したアプリケーションソフト、バッテリーで構成し、販売価格は約200万円。従来のウィンドウズ版アプリケーションソフトもブルートゥース対応のソフトウエアに改良した。本体は890グラムと他社製品に比べ半分以下と軽量化を実現した。さらに消費電力を抑え、バッテリーは他社製品と比べて持続時間は倍以上あるという。
2012年度に約30台、13年度は300~500台程の販売を見込む。現在は国内一部大手の通信会社や中国などが推進するTD―LTE方式の周波数に対応するが、来春には市場の大きなFDD―LTEの周波数に対応するチューナーも採用する。将来的には国内外の通信会社の15%程度のシェアを目指す。