県内企業 悪影響18% 日中関係悪化波及調査


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 帝国データバンク沖縄支店は7日、中国との関係悪化に関する県内企業の意識調査を公表した。回答した51社のうち17・6%に当たる9社が、中国との関係悪化が自社に悪影響を及ぼしたと回答。全国調査結果より12・0ポイント低かった。

減収の見通しを26・8%が示したが、全国より6・8ポイント低かった。
 中国の企業などと直接取引のある企業の具体的影響は「税関手続きの遅延」が60・0%、「商品の買い控え」が20・0%あった。
 中国との関係悪化が悪影響を及ぼしたと回答した業種は卸売り6社、運輸・倉庫1社、サービス2社の3業種。「悪影響」の企業割合が全国より少ないのは、直接事業をしている企業が少ないためと分析している。「影響ない」とした企業は58・8%の30社、「好影響」は3・9%の2社。
 売り上げに関する質問には51社中41社が回答。そのうち通期で売り上げが「減少」と回答した企業は26・8%の11社だった。全国は33・6%。「変わらない」が68・3%の28社、「増加」が4・9%の2社だった。業界別では「減少」は卸売りと運輸・倉庫、サービスの3業種。
 中国と直接事業をしているとした企業5社に具体的な影響を複数回答で聞くと、最も多かったのは「税関での手続き遅延」で3社。「製品、商品のボイコットや買い控え」「中国での調達、仕入れの困難化」「税関での製品・商品の差し止め」がそれぞれ1社あった。今後の事業展開は「現状維持」が2社、「縮小・撤退検討」「拡充・新規展開検討」が1社だった。市場や生産拠点としての魅力は、9・8%の5社が「なくなった」、5・9%の3社が「低下」と答えた。
 調査は10月19~31日まで実施。県内の調査対象は147社で、有効回答企業数は51社(回答率34・7%)。全国調査分から沖縄分を抜き出しまとめた。全国では1万534社が回答した。