県内初、豆苗栽培へ 大宜味村進出の沖縄村上農園


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 大宜味村で豆苗(とうみょう)の水耕栽培を計画している沖縄村上農園(山城加寿社長)は、夏場を含め年間の安定した沖縄野菜の出荷モデルケースの構築を目指していく。

葉野菜の生産拠点化を図った上で、将来的には県内離島や東南アジアへ水耕栽培のミニプラントの事業展開などを計画する。11日、県庁で記者会見した山城社長は「県内で初となる豆苗の生産で北部地域をより活性化したい」と抱負を語った。
 沖縄村上農園は、沖縄物産企業連合(那覇市)と豆苗や新野菜の企画、販売を手掛ける全国業界最大手の村上農園(広島市)が出資し5日、設立された。大宜味村が同村塩屋の埋め立て地「結の浜」に建設を進める企業支援賃貸工場へ進出する。
 賃貸工場は2013年4月に完成予定。工場内に水耕栽培の施設を整備し6月から出荷を始め、県内の量販店などでの取り扱いを予定している。新規雇用10人でスタートし初年度の売上目標は4千万円、20年度には2億円に伸ばし、25人の雇用創出に取り組む計画だ。
 沖縄物産企業連合の地域ネットワークと、村上農園の生産技術や販促支援ノウハウを融合。同村の日量4千トンの豊富な湧き水も活用しながら安定生産を目指す。同農園はこれまでも県内で年間3千万円の豆苗販売実績がある。
 会見には沖縄物産企業連合の社長で沖縄村上農園社長に就いた山城氏をはじめ、村上農園の村上清貴社長、大宜味村の山城清臣副村長が参加した。
 村上社長は「全国の他の生産センターで使用していた一部施設を利活用することで初期投資を抑えることができた。豆苗を戦略的野菜と位置付け、マーケットの拡大に取り組みたい」と抱負を述べた。
 山城副村長は「緑と水の里である地元をより活性化できる事業に育ってほしい」と地域振興に期待を示した。

豆苗の水耕栽培施設の展開などについて説明する沖縄村上農園の山城加寿社長(写真右)ら関係者=11日、県庁
村上農園が生産する豆苗。同タイプを沖縄村上農園が来年6月から出荷を開始する予定