ヤンバルクイナ、輪禍過去最多42件


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ロードキル確認件数(2012年12月11日現在)

 【北部】国、県、自治体、NPOなどによる2012年度ロードキル(交通事故死)発生防止対策に関する勉強会が11日、名護市の北部国道事務所で開かれ、各機関の調べでヤンバルクイナの交通事故死が11日現在、過去最多の42件確認されたとの報告があった。

ケナガネズミは同日現在9件で前年の25件から激減。環境省やんばる野生生物保護センターは個体数の増減が事故件数に反映したとみている。
 ヤンバルクイナの事故死は2月6件(前年1件)、4月7件(同4件)、5月12件(同6件)と多発。特に国頭村楚洲の県道70号で年間13件発生し、集中的に起きる場所と時期があった。
 県の調査では、路上で確認されたヤンバルクイナは115羽で前年の97羽から増え、過去最多だった。国やNPOなどが東村、大宜味村での繁殖を確認しており、生息域と個体数の回復が事故件数を押し上げたとみられる。
 一方で環境省は、台風などでケナガネズミのすみかとなる木が倒木したり、餌が減ったりした影響で、個体数が減少傾向にあると説明。ただ、種の存続に影響するレベルではないという。
 やんばる野生生物保護センターの福田真自然保護官は「来年は注意を促す看板設置などをはじめ、地元と協力した事故防止策を進めたい」と話した。