3区 玉城氏、比嘉氏激戦 本紙終盤情勢分析


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 16日投開票の第46回衆院選に向け、琉球新報社はこれまでの情勢分析取材に、共同通信社が11、12の両日実施した県内有権者対象の世論調査結果を加味して、沖縄全4選挙区の終盤情勢を探った。

沖縄1区は国場幸之助氏(自民・新)が先行し、現職大臣の下地幹郎氏(国民新・前4)が追い上げ、赤嶺政賢氏(共産・前4)が続く。2区は照屋寛徳氏(社民・前3)がリードし、宮崎政久氏(自民・新)が追う。3区は玉城デニー氏(日本未来・前1)と比嘉奈津美氏(自民・新)が横一線で並ぶ激戦となっている。4区は西銘恒三郎氏(自民・元2)が、瑞慶覧長敏氏(無所属・前1)を抑えて優位な戦いを展開している。
 全4区で候補者を擁立した日本維新の会、3区と4区で擁立した民主は勢いが見られない。
 全体で4割超の有権者が投票先を決めていない。残り3日間の票の掘り起こしが当落を左右する可能性があり、流動的要素を残す。浮動票の獲得が鍵を握る。
 1区は、国場氏が基盤となる自民と公明の票を7~8割固め、無党派層にも浸透。下地氏は、国民新の支持者を確実に固め、推薦を受けた民主票の7割超の支持を得ているものの広がりに弱さがある。赤嶺氏は、共産を固めて社民の支持も得るが、保守層や無党派への浸透が弱い。
 2区は、照屋氏が社民、共産の革新票を確実に押さえ、民主や一部自民票も取り込む。追う宮崎氏は、7割の自民と公明票を固め、浦添市で広がりが出始めたが、無党派層の獲得が課題となっている。
 3区は日本未来の知名度が高まり、玉城氏に勢いが出始めた。社民や無党派層、民主の一部も取り込む。比嘉氏は、自民と公明の票を着実に押さえ、一部民主の支持も得る。大票田の中部での集票に挑む。
 4区は、西銘氏が自民と公明票の7~8割を押さえて地盤を固め、一部社民票も獲得している。瑞慶覧氏は、社民票に加えて離党した民主から支持を得るものの、広がりに欠ける。

<世論調査の方法>
 全国300小選挙区のうち、話題区、激戦区などの150選挙区の有権者を対象に11、12の両日、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。1選挙区400人からの回答を目標とした。実際に有権者がいる世帯にかかったのは8万4425件、うち6万3181人から回答を得た。県内4選挙区で計1620件の回答を得た。