基地負担の実態を視察 「ピースボート」と韓国・環境財団


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住宅地が密集する普天間飛行場を見る参加者ら=4日、宜野湾市の嘉数高台公園

 沖縄に集中する米軍基地の過重負担について考えようと、「ピースボート」と韓国の環境財団が共催するツアーがこのほど県内であり、県外と韓国からの参加者合わせて約300人が六つのグループに分かれ、米軍普天間飛行場や普天間代替施設建設予定地とされる名護市辺野古などを巡った。

 普天間飛行場視察のため嘉数高台公園の展望台を訪れたグループは、米軍機の騒音などを体感。韓国・ソウルから参加したキム・ミンジェさん(26)は「実際に見てびっくりした。ソウルにも米軍基地はあるけれど陸軍基地なので騒音や墜落の危険はない。住宅が密集する地域にある普天間基地は甚だしい被害を与えるはずなのに、なぜ日本の政治家は何もやらないのだろう」と話した。また、大阪からの参加者は「今まで基地問題に関して漠然としか考えていなかったけれど、実際に見て恐ろしくなった。沖縄の人たちが全て負担しているのはおかしい」と、大阪に戻ってからツアーで感じたことを伝えていきたいと語った。
 一方、名護市辺野古を訪れたグループは、船から辺野古の海を視察。「こんなにきれいな海に基地を持ってくるなんて絶対に反対」といった声が上がり、定期的に辺野古を訪れ、基地反対を訴えるツアーの実施が提案されたという。
 ピースボート共同代表の野平晋作さんは「オスプレイなど危険なものを沖縄に押し付け、それを安全だとする政府の姿勢はおかしい。沖縄と本土で温度差を感じていたので実際に沖縄を訪れ現地の人の話を聞くことで、リアリティーを感じてもらえたと思う」と話した。

英文へ→Peace Boat and Korean environmental foundation co-host a tour concerning U.S. military base issues in Okinawa