県、文化観光へ事業展開 団体送迎、ホテル巡回バス…


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記者会見する県の平田大一文化観光スポーツ部長や舞台作品を創作する演出家ら=20日、浦添市の国立劇場おきなわ

 県文化観光スポーツ部は20日、沖縄の文化・芸能を活用して観光誘客を図る「文化観光戦略」(2012~21年)に基づく「文化観光戦略推進事業」の本年度事業計画をまとめた。

来年1~3月に国立劇場おきなわで行われる芸能公演の際、那覇市内のホテルを巡回する無料バスの試験運行や、若手演出家による舞台を通した文化観光戦略の本格展開に向け、課題や可能性を検証する。
 平田大一県文化観光スポーツ部長や舞台作品を創作する演出家らが同日、国立劇場おきなわで記者会見した。本年度の事業費は約1億1千万円。来年1~3月に四つのモデル事業を実施する。課題や成果を旅行業者や文化関係者などによる「サポートチーム」が検証し、13年度以降の事業へ反映させる。
 モデル事業は(1)県民や観光客を対象に若手演出家6人が新たな舞台作品を披露する「トップコンテンツモデル」(2)県の海外公演事業の舞台作品を県内で上演する「県内巡回モデル」(3)国立劇場おきなわの組踊研修修了生でつくる「子(しー)の会」が修学旅行生へ組踊の魅力を伝える「修学旅行モデル」(4)読谷村のククル奏劇場(体験王国むら咲むら内)で実施する「地域連携モデル」―の四つ。来年3月までに27公演で計約5千人の集客を目指す。
 事業の一環として、1~3月に国立劇場おきなわで行われる公演当日に、那覇市内の主要ホテルなどを巡回する「巡回バス無料サービス」や、10枚以上の入場券を購入した場合に利用できる「団体送迎バス無料チャーターサービス」も実施する。
 平田部長は「文化観光は今まであまりなじみがなかったが、県民のためにも必要だ」などと語った。