「木灰そば」へ専用アルカリ剤 沖縄生麺協など3者共同開発


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伝統的な沖縄そば「木灰そば」の麺を再現するアルカリ剤を開発した沖縄生麺協同組合の宮城實理事長(前列右)ら関係者=20日、県庁

 沖縄生麺協同組合(宮城實理事長)と沖縄製粉(竹内一郎社長)、県工業技術センター(比嘉眞嗣所長)は伝統的な沖縄そば「木灰そば」の麺の風味を再現する専用のアルカリ剤を開発した。

同センターが木灰麺を作る際にアルカリ剤として使う木灰汁(もくあく)の成分を分析。3者共同で代替品の研究開発を進めていた。同組合は組合加盟社と連携し2013年度内に専用アルカリ剤を使った麺の発売を目指す。
 専用アルカリ剤は一般的に使用されているアルカリ剤に比べ、木灰汁の成分と同じカリウムイオン、硫酸イオン、鉄イオンが含まれていることが最大の特徴。カリウムイオンの加減で麺の色を調整し、硫酸イオンは小麦粉のうま味を向上させ、鉄イオンが適度な腰をつくり、伝統的製法の麺に非常に近い風味になるという。
 沖縄そばは、小麦粉に強アルカリ性のかん水と塩を加えて作る。戦前は木灰から抽出した木灰汁を使っていたが、戦後はガスの普及で灰の収集が困難になり、現在は中華麺用かん水での麺作りが一般的になっている。
 専用アルカリ剤は、沖縄製粉が沖縄そば麺約70万食分に当たる日産1トンを製造する環境を整備。今後組合は統一ブランドを考案し、アルカリ剤を各組合加盟社へ供給する。3者共同で特許を取得した。