東京商工リサーチ沖縄支店は21日、一戸建てと共同住宅の自社設計・施工を手掛ける県内ハウスメーカーの年間販売数(2011年10月~12年9月)を発表した。一戸建て部門の1位は3年連続で大成ホーム(浦添市)。前年比12戸増の115戸で、前年に続き唯一3桁となった。共同住宅部門は大鏡建設(那覇市)が6棟増の23棟で、2年ぶりの1位となった。
沖縄支店がハウスメーカーとしてリストアップした企業へアンケートし、回答を得た企業を集計した。一戸建て、共同住宅のランク入りしたメーカーは38社(重複あり)、県の建築指名特Aが17社で44・7%を占めた。一戸建ては、木造住宅建築を主としたメーカー6社がランク入りし、うち5社が業績を伸ばした。同支店は「デフレ化で低価格志向などから需要の広がりがうかがえる」とした。
部門別で見ると、一戸建ての実績があった36社の販売総数は前年比14・0%増の961戸だった。全体の63・9%に当たる23社が前年実績を上回り、そのうち5社は10戸以上の伸びとなった。一方、9社が前年比減となった。
販売戸数2位は、アイムホーム(北谷町)と徳里産業(嘉手納町)で82件。増加数1位は徳里産業で24戸増だった。建築構造別で見ると、鉄筋コンクリート(RC造)住宅(WRC造含む)を主とする企業が24社と最多で、木造が主は6社、コンクリートブロック(CB造)を主とする企業が4社、鉄骨(S造)住宅(軽量含む)が主は2社だった。
共同住宅は27社がランク入り。販売総数は4・8%増の197棟。前年比では11社が増加し、9社が減少した。販売戸数2位は沖創建設(那覇市)で20棟、3位は大匠アーキプロ(同)の19棟だった。
増加数では一戸建て同様徳里産業が11棟増でトップとなった。前年に実績のなかった新洋(浦添市)、大成開発(那覇市)、丸善組(うるま市)、カワバタ(沖縄市)の4社がランク入りした。
調査結果について同支店は「一戸建ては住宅需要増を背景に、構造、グレード、コストなど複数のプランを持ち選択肢を広げている企業ほど販売戸数を伸ばした。一方、共同住宅は人口増のほか、商業圏が拡大している都市部を中心に、区画整理地域などで増えている」と分析した。